故郷は灰色

僕たちが立っていたのは黒と白の狭間だった
ヤクザも公務員もパンピーもヲタクも自分を守れるのは自分だけだと知っていた
そこで僕たちはネタを繰り出しウケをとることに耽溺していた
エロの限界を手探りしていた
グロの極北を目指していた
セキュアな掲示CGIを構築しつつ荒らしスクリプツをカスタマイズし続けた
黒と白の間には無限とも思える灰色のグラデーションが広がっていた
そこに境界線や危険を知らせる標識は無く僕たちはある日突然消えうせるリスクと引き換えに暴れまわっていた
気がつけば自分が消え去るリスクを負わずに誰かを消し去ろうとする糞のような奴らがはびこっている
いつの間にかストリートには幾つもの線が引かれ一歩踏み出すごとに名無しや通りすがりが絡んでくる
無限のグラデーションを持っていた灰色は黒か白かのパワーゲームの盤面となっている
パンクスは飼い慣らされロックは年老いた
セカイはますます糞に満ち溢れる
ぜすさま
おらもつれてってくだせ
おらもつれてってくだせ