本日も死肉を食らう

御国の為に人を殺すのと尊師の為に人を殺すこととの違いはなにか
字が違う
あとはさほど違いはない
などとつらつら愚考しつつ死んだ牛の肉を食らう
俺の代わりに誰かが殺してくれた牛の肉は美味い
いつかの夏の日あの河原で俺は吊り上げた十数匹の小魚を天麩羅にして美味しくいただいた
あの魚たちは全部俺が殺した
猫は俺の部屋の片隅で病気に苦しみながら死んでいった
俺は猫を荼毘に付し骨は今もここにある
そして俺は鱈の腹を割いて取り出した卵巣を唐辛子やなんかで漬け込んだものでパスタを作る
そして御国の為に人を殺したものを崇め尊師の為に人を殺したものに石を投げるものたちを眺めながら笑う
毎日死肉を食らいながら殺したり殺されたりとは無縁なフリをしている卑怯者どもを哂う
思想とか知性を崇拝する狂信者どもを哂う
そしてそいつらがたいして面白くないのでちんことかまんことかくだらないことを一生懸命やりにいつもの日常に戻る
明日も死肉や米や麦を食うために仕事をする
そーゆー毎日は結構楽しい