俺が銀塩カメラ、しかもMF機を使う理由

MF機といってもフォーカスがマニュアルなだけではない。シャッタースピードも絞りも、フィルムの巻き上げから巻き戻しまで全部手動だ。めんどくせえったらありゃしない。
だけど、撮影はめんどくさいものなのだ。
撮影するというの一方的に見る事であり、あまつさえその記録を延々と残すというとんでもなく暴力的な行為だ。暴力的な活動をするには細心の注意を払わなければならない。めんどくさいけど殴ったり殴られたりが好きじゃないからやらなきゃしょうがない。
そんな行為を小さくて軽くて簡単な機械でやってると、撮影することの暴力性が小さくて軽くて簡単な事のように思えてしまう。俺はあまり頭が良くないので簡単にやっていい事と簡単に出来ることを混同してしまうことがあるのだ。
銀塩MF機では、写真を撮ると言う行為に見合う労力を要求するので、そういう混同を起こさない。
なんでも簡単にすればいいってもんじゃない。