二十六こ目

夜中、日付けが変わる頃。やたらやかましい自転車が通る。ペダルがきしみチェーンが鳴きダイナモが唸りをあげ静かな住宅街を通り過ぎていくのだが、今日はそれに運転者らしきおっさんの「だーめーだーだーめーだーだーあーめーえーだーあああああ!」というすすり泣くような声が加わっていたのでもう駄目かもしれない。