客注のこと覚え書き

こないだ「この本あまぞんどっとこむだと三週間かかるとか言われてるんだけどなんとかなりませんか」ととある人に言われたので版元に問い合わせたら「重版待ちなんですけど箱がちょっと痛んでるのでいいなら出庫できますよ」と言われたのでじゃあお客さんに確認とってからあらためて発注しますといって確認とってOKが出たので発注したら取次の阿呆が東京回しで送品しやがったので京都の版元から京都の書店に入荷するまで一週間かかっちまったよ糞が祝日挟んだせいもあるけどな(´Д`)y-~
かように俺の職場のような超零細書店でもアマゾンドットコムさんよりも早く手配できる本はある。
たくさんの人が欲しがる本はきっとアマゾンさんのほうが早い。ぴかぴかの新刊も。
日本全国でいま欲しい人が百人以下五十人以上くらいの本ならトントン、それ以下なら書店のほうが早いだろう。版元品切れや絶版になってる報告も含めて。

80年代から90年代の書店にとって客注は鬼門だった。本一冊の発注に電話やFAXを使うと通信費で利益が飛んじゃうから。東京近郊ならまだしも、北海道や九州、沖縄の書店さんだと本の値段によっては一発で赤字が出る。取次によるオンラインシステムもあるにはあったけど、初期費用とメンテ代を考えると、大書店クラスの売り上げが無いと到底導入できない。
古式ゆかしい客注伝票を、普通の補充注文とともに手渡しで配送のおっちゃんに託すのが個人書店に出来る精一杯だった。

森ちゃんがいろいろやってくれたおかげでインターネットが普及したが、版元がネットでの発注を本格的に受け付けてくれるようになったのは20世紀末くらいだろうか。
小学館集英社白泉社のいわゆる一ツ橋グループによるs-bookが立ち上がったのが2000年だからそんなもんか。
角川グループのほうがちょっと早かったかもしれない。
ちなみに読者の人向けのs-book.comでは一ツ橋グループのみだが、書店向けのs-book.netではそういった垣根を越えて「小学館集英社白泉社祥伝社照林社小学館プロダクション双葉社講談社コミックス・芳文社リイド社オークラ出版秋田書店偕成社ポプラ社主婦の友社少年画報社・ゴルフダイジェスト社・朝日ソノラマ岩崎書店」の発注ができる。

俺の職場のとあるお得意さんには日書連のページのhttps://www.shoten.co.jp/nisho/search/index.asp?$経由で月に数十冊の専門書を発注していただいてるが、九割近くは一週間前後で納品できてる。残り一割は重版待ち。
http://www.shoten.co.jp/nisho/bookshops/index.aspここに近所の書店があるなら日書連のページはかなり使える。