六十六こ目

 ねこがしんだ
 お酒をたくさん飲んでいるうちに名前を呼んだら生き返るんじゃないかと思えてきた
 猫の傍らには母が供えたアジの干物とロウソクが揺らいでいる
 でも名前を呼んだらまたこいつは病気で苦しい思いをするのだと思うと呼びかけられない
 ねこーねこー