書店員という下層階級その三

吾妻先生の「うつうつひでお日記」にぶんか社みこすり半劇場休刊の顛末が載っている(´Д`)y-~
セブンイレブンで締め出し食らったら書店売りでは雑誌を維持できないので休刊せざるを得ないということだ
もはや書店は出版の主役ではない
本を読者に届ける主要補給路ではなくなってしまっているのだ
それでもなお低賃金長時間労働に書店員が耐えているのは「良書」という幻想に酔っているからだ
「良書」はPTA的なものである必要はない
100人の書店員がいれば100通りの「良書」の基準があり、それぞれがそれぞれの「良書」を信じてヴェトナムの泥濘の中を狂気と背中合わせになりながらも行軍している
この愚かしくも気高い死の行軍は再販制の廃止*1まで続くだろう
それまでに何人の書店員が体を、精神を病み斃れていくのか
再販制の廃止は中小書店のほとんどと多くの大手チェーン書店を廃業に追い込み、版元と取次も無傷ではいられないだろう
再販制に守られているのは書店ばかりではない
ダイナソア・キラーのごとき再販制の廃止のあと、残るのはメガ書店チェーンと超大手版元だろう
書店は今のようにドン・キホーテのような書店員が一人二人いたところで魅力ある売り場を維持するだけの商品をそろえることは出来なくなる
ごく少数の権力*2を持つものが読むことをゆるした、あるいは読ませたい本以外は出版すらされることない
そしてその書店にいるのは幻想すら持てない真の下層階級となった書店員たちだ

*1:これは必ず行われる

*2:経済力とか政治力とか宗教力とか