百物語

五十三こ目

その翌日、Nからケータイ。 「結局、Sは警察来る前に婆さんがきたって喚いてトンズラしたよ」 「ふんふん」 「いちおう警察には言うといたけどな。もしそっち行ったら堀川警察署のGさんていうひとに連絡して」 「ふんふん」 「なんや頼んない返事やな」 とN…

五十二こ目

遡る事数日前。 小学校からの腐れ縁のNからケータイがはいった。 「いまSが来てるんだけど、幽霊見たって言っとるんや」 「ふんふん」 「堀川通り走ってたら首だけの婆さんが前から飛んできたって言っとるんやけどな」 「ふんふん」 「Sは酒臭いし車のボンネ…

五十一こ目

中学校の同級生のS君と偶然会った。場所は国道一号線で、彼は黒のセドリックの潰れた運転席から僕を見ていた。

五十こ目

台風10号が接近しているせいでさっきから風の音がうるさい。 その音の中に「あれ、まだ半分だよ」って声を聞いたような気がするけどきっと気のせいだ。 そう決めた。

四十九こ目

ありがたいことに夏のボーナスが出たので、ローンを払ったり貯金したりしてわずかに残ったお金を握ってiPod miniを買いにいった。 そしたら20Gの中古品がそれよりも安く出てたのでついそっちを買ってしまった。 充電してプレイリストを表示したらアメリカン…

四十八こ目

風が強いのでブラインドを開き気味にしていたら、お向かいの家の窓が赤く光ってるのが見えた。 火事かと思ってじっと見ていたら、女の人の影が独特の動きをした。 お願いだからカーテンくらい閉めてください。

四十七こ目

テレクラのサクラさんから聞いたもう一つの話。 彼女は夜寝るときにはテレビをオフタイマーにして寝ると言う。 真っ暗で静かだと生きてるのか死んでるのかわからなくなるので寝付けないそうだ。 で、ある日。 ふと目覚めると、テレビが砂の嵐になっていた。…

四十六こ目

寝苦しかったので北白川バッティングセンターへいった。 知り合いの風俗のお姉さんがいたので挨拶したら、友達を紹介された。 テレクラのサクラをやっているそうだ。 「これやから、ヘルスとかできひんねん」 といって両手を手のひらを上にして差し出した。 …

四十四こ目

交通警備員のバイトをしていた時の話。 高速道路工事の警備に入ると36時間とか48時間連続での勤務は当たり前なのだが、これは警備だけではなく工事のおっちゃん達も同じだ。 交代は道路公団のおっさんが視察に来る直前に行われる。 まともな工事になるわけが…

四十三こ目

京都市民が祇園祭にいくといろいろと懐かしい顏に会う。 最近は露天の生ビールでもよく冷えているので呑みながら立ち話をし、ぶらぶら歩きながら呑んだくれ、帰りの地下鉄の中で「そういや今日会ったあいつは高校時代に死んだんじゃなかったっけ」などと思い…

四十二こ目

刃物から目を離すと悪さをするので、包丁もナイフも使ったらすぐに洗ってしまわないといけない、と僕に初めてのナイフをくれた叔父が言っていた。 ナイフが軍隊でも同様なんだろう。

四十一こ目

いつのまにか難聴一歩手前になってて鬱病の治療にも使われるような薬を飲む羽目に(´Д`)y-~ セルシン錠ってやつなんだけど副作用に「大量連用により薬物依存」とかサラッと書いてあるんですけど

四十こ目

屁だと思ってこいたら実が出た経験がある人は屁をこく事に慎重になり、二日酔いだと思って吐いたら吐血だった人は全てに投げやりになる。

三十九こ目

姉が昔バイトしていたスナックでお客さんから聞いた話。 暴走族が追悼集会をするのは、そうしないと死んだ奴が毎回集会に現れるかららしい。 追悼集会をやらなかった滋賀の暴走族が死んだ奴の先導によって全員琵琶湖に落ちたという伝説もある。 なんにせよ、…

三十八こ目

家屋解体のバイトをしていた友人から聞いた話。 古いアパートを解体していたら犬や猫の骨が出てくるのはよくある事らしいが、馬一匹分出てきたときにはさすがにまいったと言っていた。

三十八こ目

「ありがとう、本当によかった。私はとても喜んでいるよ」 僕が聞いた中でもっとも恐ろしかった弔辞だ。

三十七こ目

深夜、ネットで悪さをしていて、気がつくと小さな声で誰かが「ちいさい秋」を唄っている。 もしや死んだ婆ちゃんが漏れがはしたない事をしているのを悲しんで昔よく唄ってくれた歌で美しい心を取り戻させようとしているのか。 ごめんよ婆ちゃん、漏れ、もう…

三十六こ目

網戸を閉めているのになぜかカメムシが二匹もいるよジーザス。 うち一匹はいまモニターの裏にいる!

三十五こ目

アルコール話をもう一つ。 よく酔っぱらって目が覚めたら血まみれだったという話がありますが、僕と友人はきちんと手当てされて包帯まで巻かれていた事があります。

三十四こ目

先日、ひどく酔っぱらってしまいいつのまにか寝入ってしまっていた。 酒に溺れた事のある駄目なひとならおわかりだろうが、当然夜中に喉の乾きで目を覚ます事になる。 アルコールで痺れてる脳は覚醒してからも体を動かせるようになるまでにしばらく時間がか…

三十三こ目

等間隔に並んでいるので有名な四条鴨川のアベックだが、三組にひと組の割り合いで同性同士であり、八組に一組はどちらかがこの世のものではなく、十二組に一組は二人とも実体がない。

三十二こ目

ツーリングライダー、特に野宿を繰り返しながら長期間走るライダーの間に伝わる絶対に効く交通安全のお守りを御存じだろうか。 それはエロ本、できるだけ自分の趣味ではないえげつないものをザックなりウエストバックなりに入れておくと言うものである。 バ…

三十一こ目

id:doumoto:20040622 ミイちゃんのコメントが恐い。 doumotoさんはじつは可愛らしいお嬢さんなので、あまり女の子とデートはしないと思う。 近いうちにdoumotoさんちの玄関に見知らぬ女の子が立つのかもしれない。

三十こ目

以前、リサイクルショップに冷蔵庫を買いにいったときの事。 中古品なので汚れや傷はもちろん、匂いもチェックする。フィルムや現像液の原液を入れておくために買うのだが、ビールや麦茶なども入れるつもりでいるし。 殆どは大丈夫だが、中にはぬかみそやな…

二十九こ目

貴船神社とかならわかるけど近所の神社で丑の刻参りするの止めてください。 しかもうちの前通るのは勘弁してください。

二十八こ目

いきつけのラーメン屋の大将から聞いた話。 思いがけず殺人を犯してしまい死体を出汁にとったら繁盛したという怪談がよくあるけど、人間ほど雑食する動物はいないので、アクが多くて食えたもんじゃないらしい。 僕はまるで味見したことがあるかのような大将…

二十七こ目

北白川バッティングセンターで仲良くなった風俗のお姉さんに聞いた話。 いわゆる色情霊というやつが寄ってきて、お姉さんの体をあちこちいじってきたそうだ。 最初は恐かったお姉さんだがだんだん腹が立ってきて、「それ以上触るんならこっちも商売だ、金払…

二十六こ目

夜中、日付けが変わる頃。やたらやかましい自転車が通る。ペダルがきしみチェーンが鳴きダイナモが唸りをあげ静かな住宅街を通り過ぎていくのだが、今日はそれに運転者らしきおっさんの「だーめーだーだーめーだーだーあーめーえーだーあああああ!」という…

二十五こ目

最近いつのまにか腕や足に傷がついている。出血して、血が垂れるようなものもあるのだが、気がつくまで痛くないし、いつ切ったのかさっぱりわからない。 カマイタチや小さいおばあさんが切ってるならまだいいが、無意識に自分で切っていたらどうしよう。

二十四こ目

また文字化けした(;´Д`)y-~ 百物語を書いてるときばっかりだ。